
僕が麦焼酎を愛し、「下町のナポレオン・いいちこ」を愛しているのはたぶん「これ」だ。
20歳の頃、産業デザインを学んでいた僕は色々なデザインを学び、ちょうどその頃にはCMと言う2次元のデザインではなく4次元のデザインに大変興味を持った。それはこの「いいちこ」のCM。素晴らしい映像とビリーバンバンさんの音楽。これが「僕がいいちこ愛し飲み続ける」理由になった。すでにあれから12年経過していると思うと感慨深いものがある。
上京後、六本木の某書店で見つけた写真集がこれだ、「風景の中の思想」。それは街角に貼ってあった「いいちこ」のポスターを手がけたアートディレクター・河北秀也さんの本。2000円と当時の上京貧乏だった僕だが、2巻まで買ってしまった。
「いいちこ」のポスターと河北さんの文章で構成されており、中には「いいちこ」のポスターデータまで掲載されていて「やるな三和酒類株式会社」と単純に思う。素晴らしいものを伝達するために広告と言うものがどれだけの力を発揮するか、それを感じさせたのが「いいちこ」であり、この本がそれを「決定的なもの」とさせた。
この本の中で河北さんは興味深い事を書いている。「日本的な風景を撮ろうと思っていたら海外にあった。今の日本に普遍的な日本イメージはないのかもしれない。」これが凄い。本物を見つけようと探したら偽物の中にあった。そんな哲学的思想。僕がこのブログで目指していたものは、もしかしたらこの本なのかもしれない。
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- 2008-08-23
- 普段の生活
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